研究・事業紹介

基礎研究

異分野の理解と融合から生み出される創造性

医師として研究者として時に ”いのち” について考えることがあります。

私たちは単に病気をみるだけでなく、今苦しみの中にいる人をどのようにしたら救うことができるのか? その人の人生をどのようにしたらさらに幸せにそして豊かにできるのか?

それは患者さんの病気に留まらず、その人としての人生。
そしてこの世に生きとし生けるものの ”いのち” について。

-医療を考える上で、生命の本質についての問いを求められることがあります。 そしてそれは時に自然の摂理にまで及ぶことがあります。
医学はその答えを古くから導いてきました。その時代の中で最先端の科学、そして精緻な技術を融合させて先人は新しい医学を打ち立て、未来の医療を創造してきました。  

今、私たちが生きる時代は第四次産業革命前夜と言われ、科学技術、産業、そして社会構造に至るまで人類が経験する中でも最も大きく変革をきたしている時代といえるでしょう。 私たちはグローバルな情報化社会の中で、新しい最先端の科学技術をどこにいても手に入れることができるようになりました。

私たち研究グループは この ”いのち” と向き合うフィールドで、最先端科学との融合を試みることで新たな未来の医療を創造していきます。 

1.代謝を休眠 ~Torpor~ させてあらゆる病気から体を守る

自然は”休眠 ~Torpor~”が体を守り、長生きすることを教えてくれています。
たとえば、リスやクマ。

冬眠する動物はがん、免疫疾患、感染症、動脈硬化などの病気になりにくく、さらに体の機能を落とすことなく春を迎えたときに元気に活動することができます。 その結果、病気ならず長生きできることが知られています。
私たち研究グループはこの神秘的な自然現象をヒトに応用できないかと考え、未来の医療を想像しています。

今、その鍵を私たち研究グループは幸運にも拾い上げることができ、その作用機序の謎解きを仲間たちと一緒に進めています。 そして最近、米国製薬ベンチャーを立ち上げ、患者さんにその研究成果を届ける為に、基礎から発展させ研究を進めています。

2.遺伝子治療薬で難病を克服する

生まれつき病気を抱えて生まれる子供たちがいます。 そして、その遺伝的素因をもち大人になって病気が発症する人がいます。

私たちはリアルワールドとしての臨床遺伝情報をもとに、その人の疾病の原因となる遺伝的要因を発見し克服する治療法の開発を行っています。 最新の遺伝子治療及び核酸医薬の技術をネットワークし、新たな治療法の開発を試みています。

一人でも多くの難病患者さんを救いたい。

この一つの思いで私たちは日々挑戦していきます。

医療情報ネットワーク事業

情報で次世代医療を切り拓く ~Information is drug~

埼玉医科大学総合医療センター 内分泌糖尿病内科は県中央部に位置する中核医療を担う教室であり、多くの生活習慣病から遺伝性糖尿病や難治性内分泌疾患等の難治性疾患群を中心に診療しています。 この広大な医療圏の中で次世代診療ネットワークによる病診連携で、医療が必要な患者さんに、適切なタイミングで、適切な診断、そして適切な治療を提供できる体制を整えています。

健康と病気の間には連続性があり、分子レベルの異変から個体としての疾病発症に至るまで多段階に変化が存在しています。 ごくわずかな環境の影響や体内の代謝変化の積み重なりによって、大きな体調の変化に繋がっていきます。 その中でも体質のありかたが疾病の発症を左右することから、この体質についての理解を遺伝素因の理解から深める必要があります。

当科では個々の体質を踏まえて、そのわずかな変化の蓄積を情報として捉えることで、未来の疾病発症を予測し、最善のタイミングで、最良の治療を提供し、そしてさらに一歩踏み込み、医療情報に基づいた疾病発症を回避する方法の開発とその医療実装をめざし、新たに遺伝素因や体質の理解に基づく先端治療の開発に挑戦しています。